「そういえばジャーファル。彼女の様子はどうだ」


書類の山積みになった政務室で、椅子に凭れながら肘をついている男は思い出したように問うた。


「元気ですよ。要領が良く、よく気が利きますね。正直、下手な者よりもはるかに使える人材ですよ。それよりシン、よく彼女を引き留めることができましたね。世界が違うとはいえ、あのシェーラさんと同一人物のような存在ですよね、彼女」
「そういえばそうだな・・・・・・、まあ、俺の感ではここに残ってくれると思ってたがな。はっはっはっ」
「・・・・・・」


この時、ジャーファルには目の前で大口を開けて笑っている自身の君主を前に、あるいつもの嫌な感が働いていたのだが・・・・・・それはまた別のお話。









「あ、そういえば、例の奴隷の密輸業者のグルは捕まえておきましたから」
「ああ、ありがとう」