私はそれから、また学校に通うようになった


そして変わったのは、私と跡部くんの関係






変わった世界





私と跡部くんの接触の数は目に見えて増えた。いつも会う場所は屋上で、でも別に逢い引きというわけではなくて、行きたい時に行ってたまたま会ったら話すぐらいな感じ。
そして、あの日から跡部くんは私が飛べることについての話題を一切しなくなった。


そんなある日、私は女子たちのある会話を耳にした。


「ねえねえ!例の転校生がさっそくテニス部のマネージャーになったらしいよ!」


転校生とは、一週間ほど前に跡部くんのクラスに転校して来た子のことである。どうやら女子たちはその転校生にあまり良い印象を持っていないらしく、そこかしこで彼女に対する噂を耳にした。


「亜子、この前転校したきた女を知ってるか?」


だから、跡部くんの口からも転校生の子の話題が飛び出してきたときにはさすがに驚いたのを覚えている。


「うん、知ってるけど・・・・・・なんで?」


「愚痴だ。聞け」


そして跡部くんはその子について話し始めた。忍足の頼みで仕方なくマネージャーにしたこと、でも仕事はしっかりしないらしくいつも跡部くんのお尻を追い掛けていること。


「とんだ雌猫を入れちまったもんだぜ」


と、跡部くんは額を押さえて苦々しい顔をしていた。私は跡部くんをここまで苦心させるなんてある意味つわものだな、なんて呑気なことを考えていた。







その転校生が、私にとってどんな存在なのかもしらずに・・・・・・