摩訶不思議な出来事が


起こりました






驚きの世界






いつもと同じ毎日を過ごしていたある日、忍足と偶然廊下であった。他愛がない話で盛り上がる私たち。最後に


「お嬢ちゃん、ほなまたな。・・・・・・そや、もしかしたらそのうち部長が世話になるかもしれへん」


と言って忍足は去っていった。私ははてなマークを頭に浮かべる。


なんのことだろう・・・・・・


と考えていると、ぐいっと誰かに腕を引っ張られた。いきなりのことでショートする頭。何が起こったのかわかったのは、生徒会に入れられた後、目の前にいた人物を見てからだった。


「・・・・・・なんですか?」


そんな言葉が思わず口から零れた。目の前にいたのは、あの跡部景吾だった。初めてこんな近くで彼を見た気がする。あまりの迫力に心臓がばくばく言う。


「・・・・・・大した事じゃねえ」


跡部景吾(ここでは跡部くんとしよう)は何故か唇で弧を描く。私はなんだかそれが意味深に思えて、首を傾げた。


「これを見せたくてな・・・・・・」


そう言って跡部くんはポケットから一枚の写真を取り出した。私はそれをそっと覗き込む。


「!?」


その写真に写ったものを見て、私は言葉を失った。


そこに写っていたのは、紛れも無く空を浮遊しているときの私。


「これが誰かわからねえとは言わせねえぜ?」


「・・・・・・なんで、」


持ってるの、という言葉を私は飲み込んだ。跡部くんは意地悪そうな笑みを顔に称えている。


「使用人に撮らせた」


凍り付く私。


「・・・・・・それ、どうするつもり?」


「交換条件だ」


降りる沈黙。跡部くんは自分で察せ、というようにそれだけ言って無言で、私を嘲笑しているかのように笑う。どうせ条件を呑まないと写真をバラすとでも言う気だろう。


「そっちの条件は何なの?」


跡部くんは唇で弧を描く。

「俺様の女になれ」