シアワセムラは思い出したように「あぁ」と呟く。


「自己紹介がまだだったね。俺は幸村精市。なまえの幼馴染」


あぁ、この人がなまえをテニス部のマネージャーに誘った幼馴染か。


ってそうじゃない。


ユキムラ…


どっかで聞いたことあるような気もする。


てかシアワセムラじゃないのか。


ちょっと残念だ。


でもシアワセムラだと呼びづらいからよかったかも。


「あたしは名字名前。よろしく」


あたしも自己紹介をすると幸村は驚いた顔をした。


「名前!?今そう言ったかい?」

「え、うん。あたしの名前がどうかした?」


あたしとなまえには幸村の驚きの意味がわからない。


「だから会ったことあると思ったのか。髪が伸びてたからわからなかったよ」


髪が伸びてる?


てことは短かったときに会ってるってことだから小4か小5の時。


その時はボブに近い長さだったけどそれからずっと伸ばしてるから今は胸くらいまである。


「思い出せない?確か小5の冬だったかな。公園で俺が落ち込んでた時」


小5





公園で


あたしは考えてやっと思い出した。


「えぇ!!?あの子、あんただったの?」

「そう。あれは俺だね」


ユキムラ=この幸村、か。


なるほど。


通りで会ったことあるはずだ。