夜まではあっと言う間だった
練習はすごくきつかったけどやっぱり充実している
あたしたちマネージャーは絶えずドリンクやタオルをもって走り回っていた
「今日も一日お疲れ様」
幸村に好きだと伝えられた場所であたしも気持ちを伝えるつもり
「あぁ、名前もお疲れ」
しばらく沈黙が続く
何から話せばいいのかな
幸村を見ると空を見上げる横顔
何て言うかこの人はこういうシチュエーション似合うね
幸村を含めて綺麗と言える
「あの…さ…」
話をきりださなきゃ
「あたし、雅治と付き合っててよかったと思ってるよ。あたしが辛いときいつもそばにいてくれた。」
「うん」
あたしを真っ黒な瞳で見つめる
「でも同時に後悔もしてる。あたしは大切な人を傷つけてきた。辛かったのはいつも違う人のことを想ってたから」
「うん」
「あたしね、最初雅治に告白されたとき付き合えないって言ったし、諦めてとも言った」
でも雅治は諦めなかった
あたしのことを本気で愛してくれていたから
「それは…幸村が…好きだったから」
「うん」
「あたしは幸村となまえが付き合ってると思ってたから諦めようとした。それで雅治を利用したんだ」
雅治は待ってくれると言ったから
だからあたしは必死に幸村を諦めて雅治を好きになろうとした
「雅治のことも好きだったけどあたし、やっぱり1番好きなのは幸村なの」
涙が出てきた
自分のために大切な人を傷つけてきた自分が許せない
でもやっとあたしも素直になれる
「名前」
幸村はあたしを抱きしめる
「俺と付き合ってくれるよね?」
またそうやって有無を言わせない言い方するんだ
でもいいんだ
だって嫌なんて言うはずないから
「うん。お願いします」
あたしたちは軽い口付けをした
「喜んで」
幸村の顔には満面の笑み
大好きだよ、幸村
もうずっと離れたくない―――
END...
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