答えが出ないまま一夜が過ぎた


今日は合宿2日目


雅治と幸村


あたしには選べないよ


2人ともあたしにとっては大切な人


だからこそ余計に選べない


今日1日集中できなくて、寝不足もあってつらかった


夕食とミーティングを終えてから雅治に呼びだされた


「すまんの。眠そうなんに」

「ううん。あたしも雅治と話したかったからいいの」


それは本当のことだった


だって雅治といれば安心して雅治を好きでいられる


幸村のことは考えなくてすむ


「俺…」


いつになく深刻そうに話す


「名前と別れたい」

「え…?」


別れたい…?


「もうおまんと付き合ってると疲れるんじゃ」


雅治の顔が歪む


「おまんを好きでいられん」





それが本当なら





「それに俺、最初から本気じゃなかったしの」





どうして





「だから別れてくれ」





そんなに辛そうな顔をするの





「そっか…」


言ってることと全く逆の気持ちなんじゃないの


本当はずっとずっとあたしを好きでいてくれたんでしょう


知ってるよ、雅治の気持ちは付き合ってる間にたくさん伝わったから


「雅治、」


あたしは雅治に抱きついた


あたしのせいで雅治はいっぱい傷ついたよね


でもいつも一緒にいてくれて嬉しかったよ






「ごめんねは言わないよ。ありがとう。あたしは雅治の優しさがいつまでも大好きだから」




これがあたしの気持ちなんだ


雅治がいてくれて本当によかった