「自分の気持ちに素直になりたかった。ごめん、迷惑なやつで」

「あたしは雅治が…」


好き?


本当に一番?


あたしはずっと幸村が好きだった


そして幸村と雅治の間で揺れていた


「わかってるよ」


幸村は少し哀しそうにあたしから離れた


「だから、気にしないで。仁王と幸せにね」


そう言って去っていった


幸村がいなくなってあたしは一人とり残される


星空の下で涙が頬をつたう


どうして今更告白なんてするの


どうして今更素直になるの


あたしは雅治を想うと決めたのにどうして今更それを蒸し返すの


「またお前は泣いているのか」


声がして振り返る


そこには雅治…じゃなくて蓮二


今は雅治に会いたい


さっき会ってきたばかりだけど


雅治に会って安心したい


「蓮二…もうわかんなくなっちゃった」


あたしはへらっと笑う


幸村に好きと言われて一瞬は嬉しかった


でもあたしには雅治がいて大切にしてくれる


「お前が今一番好きなのは誰だ?」


誰?雅治?幸村?どっち?


雅治を大切にしたいよ


でも幸村を好きなのは誤魔化しようのない事実


「まさ…」

「よく考えろ」


それだけ言って蓮二は何も言わなくなる


よく考えろなんてまるであたしが雅治と答えるのが間違えてるみたい


蓮二は幸村を選べって言うの?


あたしが辛い時いつも隣にいてくれたのは他でもない雅治なのに