「なら、今から言うことは真面目に聞いて欲しい」


真剣な目


黒く澄んだ瞳には今何が映っているんだろう


きっとなまえだよね


幸村はなまえの彼氏なんだから


「どうしたの?今日の幸村何かおかしいよ」


あたしは笑う


だって、おかしい


あたしにこんな相談をすることも


こんなに真剣に話すことも


「おかしくなんかないよ。俺ね、君が…好きなんだ」

「…!!」


まさか、そんなの有り得ない


だって幸村はなまえの彼氏で


なまえとは両想いで


なのにどうして幸村があたしのことを好きなはずがあるの


「そんなの嘘だよ。からかわないで」


やめてよ


どうしてそんなこと今更言うの


「…嘘じゃないよ」


幸村の声は冷静だった


その冷静さが事実だと言うことを表している


「嘘じゃない。俺は名前が好きだ。例え仁王がいても」

「幸村は…なまえじゃないの?付き合ってるくせにっ!!あたしを…」


幸村の口から雅治の名前がでてあたしの頭はパニック状態


「落ち着いて」


幸村に抱きしめられる


「俺はなまえとは付き合ってないし、昔から名前が好きだった」


そんな…


じゃああたしは何のために幸村を諦めようとしたの?


どうしてあんなに雅治を苦しめなければならなかったの?


「今、君に仁王がいるのは知ってる。名前にとって仁王が大切なのもわかる。だから俺の気持ちには応えないでいい」

「ゆき…むら…はどうして告白したの…?」


今までそんな素振り見せなかったのに何で急に告白なんてするの