S.Seiichi side


久しぶりのオフはもう7月の下旬になってしまっていた。


夏休みも間近。


いつからか名前は仁王と付き合っていた。


俺が仁王と喧嘩してたあたりからだったかもしれない。


俺が仁王と喧嘩した原因も名前だった。


仁王は一度フられたと言っていた。


俺はそれを当然だと思った。


名前は俺のことが好きだ。


それを俺は知っていたから。


だから名前は仁王と付き合うことはないと思ってた。


あの時名前に俺があんなことを言わなければよかったんだ。


そうすればきっと俺が名前の彼氏だった。



俺がまだ入院してたとき。


多分名前が一番お見舞いに来てくれていた。


「あんまり部活をサボると真田に怒られるよ」


俺がそんなこと言ったって名前は


「大丈夫。ちゃんと断ってきたし、なまえもいるから」


と言って一週間の半分くらいは来ていた。


今思えばどうして幼馴染みのなまえじゃなくて名前がよく来ていたのかは考えればすぐわかること。


名前は俺のことが好きだったからだ。


でもその時は深くは考えなかった。




そしてその日はやってきた。


俺の手術日でもあり、関東大会でもあるその日。


名前は朝、俺の所へ来た。


「おはよ」

「名前、試合行かないのかい?」


当然俺は驚く。


だって普通、関東大会に応援に行く。