嫉妬







新人戦当日。


予想通り立海は順当に勝ち進んだ。


次は雅治の試合がある。


応援しなきゃ。


「雅治、頑張れ」

「わかっとる」


雅治があたしを頭に手を置いてコートに入って行く。


「随分とアツいんだな」


隣に蓮二が来た。


「うん?」

「もう、精市はいいのか?」

「良くないよ…」


実際まだ諦めきれてないし。


でも


「今は雅治のことが好きだから。幸村は諦めて、雅治の隣にいるって決めたの」


これは嘘じゃない。


そう決めたの。


あたしは雅治が好き。


あたしはあんなにあたしを好いてくれてる彼を好きでいようと決めた。


「そうか。お前がそう決めたならそれが一番良い方法なのかもしれない」


蓮二はあたしを見て微笑んだ。


「ありがとう。もう大丈夫だから」


もう幸村のことはひきずらない。


幸村はなまえの彼氏。


あたしは2人が幸せならいいんだ。


あたしには雅治がいるから。