あたしの言葉を聞いて雅治は嬉しそうに笑った。


「試合、頑張ってね」

「プリ」


雅治はあたしの頭を撫でる。


雅治の手は優しくて好き。


「そこ、イチャイチャすんなよぃ」

「なっ!!」

「交代だぜ」


ブン太と交代して雅治はコートに入っていく。


「別にイチャイチャしてないし」

「とうとう仁王と付き合いだしたのかよ?」


ブン太はあたしを見てからかうように言う。


「え、うん…」

「…マジで!?」


あたしの応えを聞いて驚くブン太。


「お前らは仲良いだけで付き合わないと思ってた」


あたしだってそう思ってた。


あたしは幸村が好きで雅治は仲間だと思ってた。


でも雅治と付き合ってみると、普通にかっこいいと思うし、優しいし、自慢の彼氏。


幸村への気持ちに蓋をしてしまえば雅治を好きになるのは容易い。


実際今は雅治をすごく好いている。


「えへへー」


あたしが照れ笑いを浮かべるとブン太の表情が変わった。


「お前キモいぜ…」

「るさいっ!!」


あたしが怒るとブン太は幸村と交代しに行った。


幸村で7人目だからドリンク持って来なきゃ。


あたしはその口実を利用して幸村と2人になるのを避けるためコートを出た。