結局学校では蓮二とは話す時間がなかった。
放課後の部活が終わってみんなで帰る。
勿論あたしは途中から雅治と2人きり。
これもいつも通り。
「じゃあ、いつもありがとう」
「プリッ」
家の玄関前まで送ってくれる。
雅治は今どんな気持ちなんだろう…。
家に入ってご飯を食べて自分の部屋に行く。
雅治…
あたしは彼を好きなんだろうか。
多分恋愛感情は持ってない。
でも失いたくはない。
あたしにとって雅治は大切な仲間。
それ以上でも以下でもない。
あたしが本当に好きなのは幸村。
でも幸村はきっとなまえと両想い。
それを考えると見込みの無い恋より雅治を好きになった方が楽なのかもしれない。
そんな最低なことを考えてしまう。
電話が鳴る。
ディスプレイを見ると蓮二。
「もしもし…」
「今悩んでただろう」
ホントどうしてコイツはあたしたちの行動がわかるんだ。
「何があった?」
「うん…。雅治に告られた…」
「とうとうか…」
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