元気そうな声。


緊急なわけでもなさそうだからほっとこう。


「先生おらんのか」


雅治!?


何で雅治が保健室に?


「名前ー」


あたしがいるの知ってるのかよ。


てか今は雅治に会いたくない。


「名前ー?一つしかベッド使われてないからバレバレぜよ?」


ちっ…


雅治は何でここに来たの。


寝たフリで誤魔化そう。


カーテンの開く気配がする。


「なんじゃ、寝とんのか」


そうそう寝てるから早く出て行って。


「せっかく幸村も来たというのにのう」


幸村!?


その名前に反応してしまう。


「プリッ」

「あ…」

「やっぱりな。俺を騙そうなんて100年早いぜよ」


そう言いつつ雅治は笑う。


「幸村なんかいないじゃん」

「当たり前じゃ。今、喧嘩中じゃからの」


騙された…


「…」

「…」


気まずい…


あたしはとりあえずベッドに座る。


「あの…さ…。何しに来たの?」


沈黙という名のプレッシャーに勝てず雅治に話しかける。