気持ち







もうお昼休み…。


あたしちゃんと授業受けてたっけ?


何かずっとぼーっとしてて記憶がない。


今朝の雅治とのことから何も集中できてないままだ。


「名前、ご飯行く?」


なまえが声をかけてくる。


いつもならテニス部のみんなとお昼を食べるけど今日はやっぱり行きたくない。


なまえには雅治とちょっと気まずいってことだけは言ってある。


「ごめん、気分悪いから保健室いくね」

「そ?お大事に」


なまえは弦一郎と蓮二と教室を出て行く。


気分悪いなんて嘘だよ。


一人になりたいだけ。


今雅治に会ったらきっとあたしは泣いてしまう。


いつも相談にのってくれてたのに、それが本当は嫌だったと知った。


それだけなのにすごく辛い。


雅治はいつもあたしを励ましてくれてた。


でもそれすらも詐欺かもしれない。


そう思うだけで胸がつまる。


「失礼します」


保健室にはいると誰もいなかった。


先生いないけどベッド借りちゃお。


あいてるベッドに近づいてカーテンを閉める。


ふかふかの真っ白なベッドに横になる。


「はぁ…」


どうして雅治は急にあんなこと言い出したんだろう。


もし本当にあたしを励ましてくれてたのが詐欺だったとしてもどうして急にそれを明かしたんだろう。


わかんないよ。


雅治は何でいつもあたしのそばにいてくれたの。


どうして…


「失礼しまーす」


誰かが保健室に入ってきた。