予測不能



「一応言っておくが、俺はお前が思うような人間ではない。ではな」



告白されて最後に捨て台詞のように言った言葉はこれだった。



何を思って俺に告白してくるのかはわからないが少なくとも俺は好きでもない女子と付き合うほど軽くはない。



「また、蓮二はそういうこと言って最後の最後に傷口に塩を塗る」



陰から出てきた女が俺に向かって言う。



何故ここにお前が居るんだ。



「名前には関係ないだろう。だいたい何故こんな人気のないところにお前が居るんだ」

「もっと女の子には優しくしなさいよ」



俺の問には答えないんだな。



この名前という子は俺の幼馴染ともいえる。



同時に俺が好意を抱いている子でもある。



「そうは言うが、お前も告白してきた男に同じようなことを言っているだろう」

「…なんで知ってんの……」



俺がそんなことも知らないと思ったのだろうか。



テニス部では参謀といわれるくらい情報には詳しいのだが。



「ふっ」

「っとに…。蓮二には何も隠せないね」



俺にもわからないことはある。



そして知りたいこともある。



「じゃぁさ、蓮二にはあたしの気持ち、分かる?」

「?」



名前の気持ち?



どういう意味だ。



人の気持ちは理屈じゃない。



いくらなんでも俺にもわからない。



「あたしがここに居る理由にも繋がるんだけど」

「どういうことだ」



意味がわからない。



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