言葉



亮とはもう付き合って2年になる。



それより前から私はずっと好きだった。



勿論今も好きだけど。



告白したのは私。



恐る恐るだったのは今でも覚えている。



亮からOKの返事をもらってすごく嬉しかった。



ただ、最近気づいたことがある。



私は今まで一度として亮から"好き"という言葉を言われたことがない。



亮の気持ちはわかってる。



だから本当はわざわざ確認する必要はない。



でもやっぱり言葉に、形にして欲しいんだ。



「ねぇ、私のこと好き?」

「な、何だよ、急に…」



亮は顔を少し赤くする。



「好き?」



“好き"って言って。



「お、おぅ」



頬をかきながら照れ笑いを浮かべる。



やっぱり…言ってくれないか。



亮が照れ屋なのはわかってるつもりだけど。



それでもやっぱり言葉にして欲しい。



「テニス、好き?」

「当たり前だろ。さっきからどうしたんだよ」



亮は困惑していた。



自分でもおかしいのはわかってる。



でもさ、好きって言ってほしいよ。



「あたしとテニスではどっちが好き?」

「はぁ?」



亮の眉間に皺がよる。



「あのなぁ、お前とテニスの好きは違うんだぜ?」



今、好きって言った…。



言ってくれた。



2年もたってやっと。



「両方好きに決まってんだろ。って何で泣いてんだ!?」



焦ってあたしの涙を拭ってくれる。



嬉しいんだよ。



亮の好きがすごく心に響いたんだもん。



END...


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