奥手



自分が本当に愛されてるかなんてわかんない。



告白したのは自分で、受け入れてもらったときは本当に嬉しかった。



でも、それ以降何もないんだ。



もう3ヶ月も付き合ってるのに。



私はこんなに亮君のこと大好きなのに。



メールは欠かさず返してくれるし、一緒に帰ったりだってする。



でもそれだけじゃ足りないの。


亮君が部活が大変なのはわかってるし、応援もしてる。



だからデートしてなんて言わない。



けど、3ヶ月もたってキスもしたことがないし、手も繋いだことがないなんて私にそういう魅力がないとしか思えない。



本当はきっと私のことなんて好きじゃないんだ。



思えば彼から好きだと言ってもらったこともない。



「亮君…」



自然と私の目から涙が零れ落ちた。



我慢しなきゃ。



亮君に迷惑をかけちゃいけない。



それに煩わしく思われたくない。



涙を止めようとして袖で目元をごしごしこするけど涙は全然おさまらない。



一度あふれ出した不安は自制の効かないないものになっていいた。



「おいっ!!」



亮君が走り寄ってくる。



部活が終わって私を迎えに来てくれたんだ。



涙、止めなきゃ。



見られちゃだめだ。



重い女だと思われちゃう。



「な、泣いてんのか!?何かあったのかよ?」



私の肩をゆさゆさと揺する。



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