実は純情



あいつにつりあう女になんてなれない。



自分でもそれくらいわかってるけど好きなものは好きなんだ。



不釣合いなのがわかってるから告白はしないけど一緒にいたい。



どうしてもそう思ってしまう私は結局あいつの側にいる。



私の好きな男、跡部景吾はかなりの俺様。



顔はカッコいいし、スポーツ万能だし、頭もいいけどそんな性格だから絶対好きにはならないと思ってた。



でも好きになってしまった。



これ以上好きになったら自分が辛くなるだけだから気持ちを押し込めた。



「お前は好きな奴とかいねぇのか?」



急にそんなことを好きな人本人から聞かれて動揺しないわけがない。



「いっないよ〜」



こんなんで隠しきれるはずはない。



跡部は鋭いから。


案の定「いるのか」と跡部は呟いた。



「いないってば。そういう跡部こそいるの?」

「いる」



即答!?



やっぱりいいとこのお嬢様とか、美人なお姉様なのかな。



「誰!?私の知ってる人?」



私をじっとみてポツリという。



「お前が一番良く知ってて、よくしらない奴」



いやいや、どっちですか。



でも仲良しの友達ってことかな。



「よくわかんないんだけど、誰なの?」

「…お前」



いや、今聞き間違いじゃなければ私って言ったよね。



「あの…さ、今、誰って言った?」



もう一度聞いてみる。



「だからお前だ。俺様に何度も言わせんじゃねぇ」



跡部はそっぽを向いた。



その時私はあの跡部が照れているのを見てしまった。



END... 


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