罰ゲーム



「なぁ、俺お前のこと好きなんだ」



はぃ?



何言ってんだこいつ。



いつもさんざんあたしをバカにしてるくせに。



って思ってる自分と



「あたしも岳人のことが好き」



って言いたいあたしとがいる。



あたしは岳人のことを好きになったのはいつだったか覚えてない。



でも仲良くしてるうちに惹かれていった。



最初はただのガキとしか思ってなかった。



小さいし無駄にうるさいし分けわかんないって思ってた。



でも周りに優しいとことか、好きなんだよね。



「へぇ。それで?だから?」



あぁ…もう…。



可愛くないな、あたしは。



もっと素直になれたらいいのに。



「だから付き合えよな!!」



なんでこいつ上目線なんだろう。



「ふーん。いいよ」



本当は飛び上がるほど嬉しい。



でもあたしは素直じゃないからそんな素振り全く見せない。



岳人は下を向く。



顔が見えない。



喜んでんのかな。



だったら嬉しい。



急に岳人は顔を上げて



「なーんてな。罰ゲームでした〜。お前本気にすんなよなー」



の一言。



馬鹿にしたように笑ってあたしを見る。



「岳人…」



やばい。



涙出そう。



あたしは下唇を噛んで涙を堪える。



「ふざけないでよ!!あたしがどんな思いで…」



あたしはそう言ってから走り出した。



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