かっこよくて、テニスが上手くて、勉強もできる人たちの集団。



私の中のテニス部はそんな人たち。



「すごいね!!テニス部ってレギュラー争いが激しいって聞いたことあるよ」



きっと日吉君はレギュラーじゃない。



だって見たことないもん。



遠目からしか見たことないけど、後輩3人はすごく背が高い2人と打ち方が他の人と違う人。



日吉君は背が高い方ではないし、きっともう一人も違うだろう。



雰囲気が違う気がする。



「そうですね。俺も何人下剋上してきたことか。まだ跡部さんにはできてないですけど。いずれします」



日吉君の目はいつもと違っていた。



「え!?日吉君ってレギュラーなの?」

「何を今更。知らなかったんですか?」



私は黙って頷く。



だからあんな顔をしたのか。



レギュラーって有名だもんね。



普通に考えて氷帝生なら知らないはずはない。



てことはあの変な打ち方の人が日吉君ってことか。



「今度練習見に来たらどうですか。そうしたら俺がレギュラーなのもわかりますよ」



思わぬ誘いに驚いて何度も頷く。



「行く!!絶対行く」



日吉君は本を持って立ち上がる。



もう帰っちゃうのか。



「じゃあ、また。来るときは気をつけてくださいよ」



何だかいつもより機嫌が良さそうに図書室を出て行った。



またって言われたのは初めてだ。



いつもはまたなんて言わない。



だんだん心を開き初めてくれたのかもしれない。



そう思うとちょっと嬉しくなった。



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