嫌味のつもりだった。
だってそんなに言うなら手伝ってくれれば良いじゃん。
なのにあたし1人に押し付けて自分は何してるわけ。
ずっとパソコンとにらめっこしちゃってさ。
「はぁ…」
会長は溜息をついて立ち上がった。
ヤバイ、怒らせた?
けれど会長はあたしのほうには向かわずに生徒会室の隅にあるコーヒーメーカーに向かった。
何なのよ、もう。
結局あたしはこれが終わるまで帰れないのか。
「ほらよ」
あたしの机にカップを置く。
「?」
びっくりしてあたしは見上げる。
「少しそれ飲んで休め。後は俺がやる」
「え?」
まさか手伝ってくれるとは。
手伝ってほしいとは思っていたけどこの男がそんなことしてくれると思わなかった。
「悪かったな、お前1人に押し付けて」
おぉ、謝った…!!
あの跡部景吾も謝るのか。
「あの、」
「それと言いたいことがあるならはっきり言え」
「会ちょ…」
「跡部だ」
「?」
知ってるよ、あんたが跡部って名前なのは。
でも何で急に。
「会長って呼ぶな。特にお前は」
「…はい」
命令口調だったけど。
でも何かを許された気がした。
彼に他意はないのかもしれないけど。
あたしはすごく、すごく嬉しかった。
END...
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