3度目はねぇぜ



後悔



“前にしたことを後になって悔いること”


文字通りそのまま。



人間、誰しも1度くらい後悔したことがあるだろう。



勿論、私も例外ではない。



何年か前、ある奴に告られた。



『俺様と付き合え』



そんな偉そうな告り方あるかっつーの。



私は彼、跡部景吾の告白を断った。



別に恋愛感情なかったし。



それ以来跡部は1度として私と目を合わせなくなった。



仲良かったのに急に友達じゃなくなったみたいだった。



その時私がした後悔は。



『断るんじゃなかった』



それは彼と友達でいたかったから。



そう考えていたのもここだった。



ここは会議室。



実はあまり使われないから1人になりたい時は必ずここにいる。


跡部と知り合ったのもここだったっけ…。


あいつとは沢山ここで話をした。



今は前とは違う後悔をしている。



「好きになるんじゃなかった…か」



口をついて出る。



そう思ってる自分が嫌だ。



私は確かに跡部が好きだった。



でもそれが恋ってことがわかんなかった。



離れてみてやっとわかった自分の気持ち。



友達として好きだと思ってた跡部を。



目で追ってしまう自分。



それを意識し始めて気づいたんだ。



私は跡部が好きなんだって。



「誰をだ?」



突然声が聞こえた。



声のした方を向くと跡部の姿。



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