やきもちやき



「名前、ちょっと来ぃや」

「はい!?」



名前を呼ばれて振り返るとそこには彼氏の白石。



しかもなんか怒ってらっしゃる…。



え?あたしなんかしました?



してないよね?



じゃぁなんで連行されてんの?



白石はあたしの腕を掴んで人気のないところまで連れて行った。








シュル………







「ちょぉ、待って!!何でいきなり毒手!?意味わかんないってば」

「自分が悪いんやで。悪い子にはお仕置きや」



にっこりと笑って包帯を取っていく。



「何で!?あたしなんかした?てか、毒手はやめようよ!!」



白石の左腕は毒手ってことで少しだけ有名。



あたしも金ちゃんっていう1年生から聞いた話しだけど。



「何もしてないって、さっき謙也と楽しそーにはなしとったやん」



はい?何スか、それ?



謙也君と話しちゃいけないの?



「え、だって謙也君はクラスメートだし」

「へぇ…」



白石は包帯をはずす手を止めない。


「名前はただのクラスメートと、彼氏といる時より楽しそーに話すんや」

「そんなに楽しそうにしてたつもりないんだけど」

「せやかて楽しそうに見えた」



さっきまで怒ってた白石はふてくされたように言う。



もしかして、これは…



「…嫉妬?」

「…」



白石は目を合わせようとしない。


あぁ、図星か。



「だったら言ってくれればよかったのに。俺の彼女と仲良くすんなーって」

「あほ。そないな独占欲丸出しなとこ見せられるか」



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