「謙也…?」
「わざわざ何で俺が財前なんか探しに来るはずあんねん。名字が見えたから来たんや」
ますます意味わからん。
何であたしがいると謙也が来るんや。
「…?」
謙也はあたしを壁まで追い詰める。
それと同時にあたしの顔が赤くなる。
な、なんなんや、こいつ…。
「俺は名字のことが好きやから」
そう謙也が言った瞬間唇に何かやわらかい感触が。
え?キス?あたし謙也とキスしとるん?
何で?ちょっ?え?
「名字、俺と付き合うて」
謙也はあたしの目をじっと見つめる。
「ほんまに?」
「ほんまやで」
まさかの謙也からの告白。
あのヘタレの謙也が今はめっちゃかっこよう見える。
「おぉぉお願いします」
あたしがめっちゃどもりながらそういうと謙也はそこに座り込んで下を向く
「け、謙也…?」
無反応。
何でやねん!!
ここであんたが無反応になる意味がわからんわ。
「良かった。断られたらどないしようかと思った」
そう呟く謙也は耳まで真っ赤。
「あないなことしといて断られたら、俺もう名字と普通に接せらへん」
「あないなことってキスのこと?」
「………せや」
謙也の耳がもっと真っ赤になる。
やっぱり謙也はかっこようない。
やっぱ謙也はヘタレや。
せやけどヘタレでもあたしは謙也が好きやねん。
END...
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