天然ガール



俺の好きな子はめっちゃ天然や。



というか純粋すぎる。



「名字のこと好きやねんけど」

「本当!?ありがとう。私も謙也君のこと好きだよ」



彼女は笑顔で言う。



一瞬俺は耳を疑った。。



相思相愛やったなんて思わへんかった。



「友達として」



俺の喜びはいっきに奈落へ落とされる。



何やねん、このオチ…。



持ち上げて落とされるとか。



あぁ、もう、その可愛え笑顔が今は憎い。


「ちゃうわ。俺は自分のこと女として好きなんや」



名字は不思議そうな顔をする



「女としてってそりゃ私、女だもん。当たり前だよ」



いや、そうやけども。



普通ここまで言われてそう切り返してけえへんやろが!!



「はぁ…」



溜め息がでる。



名字には口で言うても伝わらへん。



それなら行動あるのみや。



名字の腕を引っ張って抱き寄せる。



体は驚く程小さくて華奢ですっぽりと覆うことができる。



「謙也君?」



今度こそ俺の気持ちわかってもらうで。



「俺と」



言おうとしたのを遮られる。



名字は俺を押し返す。



拒絶…



やっぱり好きでもない男に抱きしめられるんは嫌なんや。



「まだ人肌恋しい季節には早いよ〜」



もうあかん…。



何言うとるんや。



こいつを落とすにはまだまだ時間がかかりそうや…。



END...



戻る