ツンデレ



ツンデレって言葉は彼女のためにできたんやないか。



俺の好きな女はツンデレ。



っちゅーかツンデレを越したツンツンツン…デレ見たいな感じ。



「なぁ、名字は俺のことどう思うとるん?」

「は?何急に?」



急にも何も俺はずっと自分のこと好きやったんやで。



なんて言えへん自分が情けない。



「忍足謙也イメージアップ運動っちゅー話や」

「何それ。意味わかんないから」



意味わかんないと笑いながらも考えてくれる彼女。



好きって言わせたいわけやなくてただ彼女の気持ちを知りたいだけ。



今のままやったら告白する自身がない。



「…ヘタレ?うん、ヘタレがぴったり」

「ふむふむ、そうかー…って何でやねん!!」

「おっ、謙也お得意のノリツッコミ」



彼女は楽しそうに笑う。



真面目に答えて欲しいのに。



でも名字が笑っとるならええか、と思う自分はやっぱり名字に惚れこんどる。



「冗談冗談。そうだな…真面目な人?」

「何で疑問系やねん」



やっとまともな回答が来た。



真面目な人。



悪い印象ではなさそうやけど。



やっぱり告白できそうもないな。



「あと面白い。あたしはそういう人好き」

「へぇ、俺ってそういうふうに…えっ!?」


今、好きって言うたよな。



絶対言うたよな。



「だから、あたしは謙也が好きなの」

「ホンマに?」



ホンマにホンマに俺のこと好きなん?



聞き間違いだったりして。



「二度は言わない」



意地悪そうに言う。



「俺も…名字のこと好き…」

「あっそ」



そっけなく返す彼女の顔は嬉しそうな笑顔やった。



END...



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