狼まであと何秒?
「ねぇ、なまえ。」
「なーに?」
「なんか今日、スカート短くない?」
そう言って俺は彼女に指をさす。
彼女はそうかな、と言って問題ないよと返した。
いやいやいや。問題大アリだって。
もうすぐで下着が見えるか見えないかのギリギリライン。
そして上半身も露出の多い格好になっている。
こんな姿では選手の奴らがどういう目で彼女をみるのか、容易に想像できる。
「もうちょっとその格好どうにかならないわけ?」
「なによ。何か変なところでもある?」
「いや、ないけどさ……。」
俺もいろいろ我慢してるんだ。それを分かっているのか。
そう目で訴えてみるが、どうやら彼女には伝わらないらしい。
苛立ちからか少しため息がもれた。
「なまえさん、ちょっといいっスか?」
そう言って現れたのは椿。
彼は彼女の姿をみるなり顔を赤くした。
そらみろ。男はそういう反応をするんだぞ。
しかし彼女はそれをみて笑いながら彼をからかう。
「なぁに椿くん。どこみてるのかなぁ?」
「えっ?! あのっ、すみませんっ!」
「んふふ。お姉さんといいことしちゃう?」
「えッ。」
「ごめん。椿、こいつ借りてく。」
俺はいてもたってもいられなくなって、彼女の腕を引っ張り自分の部屋へと連れ込んだ。
少し乱暴にベットへと放り投げる。
強引に押し倒し組み敷いた。
彼女は当たり前のように驚いた顔をこちらに向けた。
「ちょっ、達海……ッ!」
「お前が悪いんだからな。」
そう言って俺は彼女の口を塞いだ。
狼まであと何秒?
(覚悟しとけよ。)
(お前が誘ったんだ。)