脱出しようぜ
「え……本当にするの?」
「あぁ。」
「でも……小十郎さんが、」
「バレなきゃいいんだ。行くぞ!」
「う、うんっ。」
「……おかしいな。さっきから政宗さまとなまえさまをみていない……。
何か嫌な予感が……ん?」
たまたま通りかかった門の近く。
いつもは兵がいるはずなのに、そのときは兵ではなくよく知った二人が門を出ようとしていた。
あれは、紛れもない。
「政宗さま!なまえさまっ!!」
大声で叫ぶと2つの人影はビクリと動きを止めた。
案の定、政宗さまとなまえさまだ。
「Shit! なまえ、早く行くぞ!」
「え、あ、うんっ!」
政宗さまはなまえさまの手を引っ張って、門の外に走っていった。
咄嗟の判断が少し遅れてしまった。
「何処に行かれるのですか!!待ちなさいっ!」
気がつけばもう遠くの方に二人は走っていた。
(城の中なんてツマンナイぜ!)
(…小十郎さん、ごめんなさい。)