「今日は燐のために晩御飯つくる!」
「へっ?あ、あぁ…頑張れよ?」
「うん!頑張る!」
そう言って張り切っているなまえ。
だけど、
「…なまえ?」
「ん〜?なーに?」
「それ…何作ってんだ?」
「え?何って…カレーでしょ?」
「(…この黒い変なにおいがするやつが…?)」
なまえがこんなに料理が出来ないなんて…。
もうちょっと…期待してたって言うか…。
「んー…燐。味見してくれる?」
「へっ?!あ、いや…あの、俺はいい!なまえの好みに合わせる!」
「そう?」
そう言ってなまえは何の迷いもなくカレー?を味見した。
「ど…どうだ…っ?」
「うん!おいしいっ!」
えぇッ?!それで?!
それを食べないといけない……。
そう思った瞬間に、逃げたくなった。
「いたッ、」
そんなことを考えていると、
なまえが置いてあった包丁に指が当たってしまったようだ。
指の先が少しずつ赤くなっていく。
「大丈夫かッ?!」
俺は急いでなまえに駆け寄る。
「えへへ。ちょっと切れちゃった。大丈夫だよ。」
「なまえ…。」
そんなことは言っているが、全然大丈夫とは思えない。
俺はなまえの手首をつかみ、血が流れている指を口で咥えた。
「っっ?!」
ちゅー、っと血を吸って止まるようにと指を舐めた。
「……っよし。これでいいかな。
…なまえ?」
なまえを見てみると顔を真っ赤にしていた。
何故かその後なまえに怒られた。
(なぁ、何で怒ってんだよ?)
(うるさいッ!ばかっ)
2011.08.21