「なぁ…なまえ、」
安形の手が私の頬に触れる。
気づけば、さっきより更に顔が近づいている。
「ぁ…がた、」
「もういいだろ?」
何年付き合ってると思って。
「い…1年です。」
「だろ?なのに、何にも進展がないってどうよ?」
「でもぉ…。」
キスだけども恥ずかしいのに…!
それ以上をしようって?
無理に決まってるッ!
「わ、私…そんなこと、したら……壊れちゃう。」
そう言ったら少し間があいてから、
安形が笑い出した。
「なッ、何で笑うんですか…!」
「それで壊れるなら、俺が壊してやるよ。」
だから、
「いいだろ?」
ずっと待ったから。
(なまえを)
(頂きます。)
2011.10.16