街中で出会って恋をした人は、
悪魔でした。
「隠していて…すみませんでした。」
そう謝る優一……ベルゼブブ優一さん。
「いいんですよ。顔を上げてください。」
そう言うと優一さんは顔をあげる。
その顔はとても申し訳ないような、悲しい表情をしている。
「…どうして、そんな顔するんですか。」
「……私は悪魔ですよ? 恐ろしく…ないんですか。」
「恐ろしいことなんて1つもないですよ。
…優一さんは、優一さんじゃないですか。」
そう言って笑って、優一さんの頭を撫でた。
いつもは嫌がっているけど、今は大人しく撫でられている。
「……なまえさん、」
「何ですか?優一さん。」
「まだ……私の傍に居てくれますか…?」
「…フフ、
当たり前じゃないですか。」
悪魔だって、
(貴方には変わりないんです。)
2011.07.28