「お風呂、出たよー。」
お風呂場からなまえの声が聞こえた。
俺は見てた試合の録画を、途中でとめてお風呂場に向かう。
そのときになまえとすれ違った。
「あ、」
なまえが珍しく髪を濡らしたまま出てきた。
「もー、なまえ。髪、べちょべちょだよ?」
「え、あ…忘れてた。」
うっかりさんななまえも可愛いけどね。
「風邪引いちゃ困るでしょ。」
自分でもオカンみたいなこと言ってるんじゃないかって思う。
俺はなまえからタオルを受け取り、なまえの髪を拭く。
「さ、聡さんっ、」
自分で出来ます、
「いいのいいの。」
やってあげるから、
「……すみません。」
なまえは申し訳なさそうに、おとなしくなった。
「ん。これでいいかな。」
そう言って俺は拭くのをやめる。
「ありがとうございますっ。」
なまえは照れたように顔を赤くしてお礼を言う。
その行動が可愛くて、何だか抑えきれなくて、
なまえを抱き寄せて首筋に顔を埋める。
「ひゃ……さ、聡さ、くすぐったい、ですっ、」
「んー……いい香り。」
俺は首筋に、軽くキスをした。
2011.04.17