「…ずるい。」
「…は?」
俺の彼女――なまえはいきなり言い出した。
「な…何がずるいんだよ。」
「…銀ちゃんの周りの人って…美人さんばっか。」
「…そうか…?」
そうなのだろうか…。
「お妙さんとかさっちゃんとか…。」
「いや、何でさっちゃんまで入ってんだよ!」
「美人じゃない!何て言うの?…ナイスバディ?」
それは…そうかも知れないが。
「…って、そんなこと考えててどうするの。」
そう言うと、なまえはだって…と言いながら俯いた。
小さな声でもぞもぞと言う。
「その…銀ちゃんが、美人さんと付き合ったら…どうしようって。」
赤い顔で一生懸命伝える。
それが可愛くて可愛くてっ!
俺はなまえを引き寄せた。
「っ銀ちゃ…」
「大丈夫。…お前だけだから。」
そう耳元で言ってやると、さらに顔を真っ赤にさせた。
2011.04.05