「ねー、なまえちゃん。遊ばない?」
「……私、今仕事中なんですけど。」
「いいじゃない!鬼灯の野郎に任せておけば大丈夫でしょ。」
「自分の仕事は、自分でしたいんです。」


早く頼んでいたものを下さい、と頼むなまえ。
白澤はなまえを誘うのを諦め、渡そうとした――が何か考えついたようで、渡す寸前と言うところで手を引いた。
その行動になまえは、意味が分からないという顔をした。


「何してるんですか。早くくださいよ。」
「渡してもいいけど、僕と少し話していかない?」
「……話しているじゃないですか。」
「そーじゃなくて!」


そこまで言うと、白澤はなまえの手をとった。
そして手の甲に口付けた。


「君のこと、もっと知りたいんだ。
だから、君と話もしたいし抱き合いたいと思っているんだよ!」
「1つ余計なものが増えてますけど。」
「あ、本音が…。」


と、白澤が油断をした隙に、なまえは注文品を取り出口へと向かった。
白澤が呼び止めようとしたとき、ドアが閉まる寸前、なまえの口が動いたのがわかった。


ぱたんっ…


軽くドアが閉まった後、1人になった白澤。
なまえが帰ってしまって悲しいはずなのに、口元を緩ませて上機嫌な顔をしていた。


……桃太郎に、気持ち悪いと言われるのは、あと数分後。



(そう彼女の口が動いた。)
(楽しみでしょうがない。)


2012.04.15





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