嗚呼、足りない。
足りない足りない足りない。

君が足りない。





「白澤さま、こんにちはー。」


いつもと同じ曜日、時間に君はやってくる。
待ってましたと言わんばかりに、僕は君に抱きつく。
毎回のことだから君は驚くこともせず、僕の背中に手をまわす。


「1週間に1回しか会えないなんて、僕死んじゃう。」


そう僕が言うと君は困りますねぇ、と苦笑交じりに答える。
君は僕と顔を合わせ、じっと目をみる。
その綺麗な黒い瞳に吸い込まれそうになる。
少し口角をあげて、君の唇と僕の唇を合わせる。
触れるだけのキスをして、また僕はなまえに抱きついた。


「あー……、幸せ。」
「私もです。」
「……僕、君がいないとダメみたい。なまえ依存症だ。」
「じゃあ私も、白澤さま依存症ですね。」


2人で顔を見合わせて、頬を緩ませる。
嗚呼なんて幸せなんだろう。



(じゃあ結婚すれば、依存症は解決するよね。)
(え、でも……っ!)
(大丈夫。僕が養ってあげるから。)



2013.02.18





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