「白澤さまは、かしこいのね。」
なまえがそう言うと白澤は目を丸くさせた。
少し考えているような顔をした後、またいつもの笑顔に戻った。
「どうしてそう思うの?」
「上手に女性の相手をしていらっしゃるから。」
計算しているのかしら、なんてなまえが言ってみた。
しかし白澤は顔を横に振った。
「そんなことないよ。」
「あら…どうして?」
「他の女の子たちには、上手にしてるかも知れないけど……。 」
白澤はそこで一度言葉をきりなまえをみた。
少し頬が赤いのがわかる。
「君には上手にできないよ」
胸がおかしくなるんだ、と言葉をつけたす。
さっきより頬が赤くなった。
「……ふふっ。」
そんな反応になまえは笑った。
「む……どうして笑うの?」
「あ、いや、ごめんなさい。白澤さまが可愛くて、つい。」
男に可愛いって……と不満あり気な顔をした。
また、私は笑ってしまう。
つられてなのか、白澤も一緒に笑う。
計算高い人ね。
それでも好きよ。
2013.01.10