※吸血鬼になってます。



「……っえ?」


え?何?何なの、この状況。
今私は、鬼灯さまに首を噛まれてる。

……なんで?


「っ、ほーずきさま…?」


気のせいだといいのだが、だんだんと力が抜けてきた。
目の前に写っている光景が歪んできた。

もうだめだ、私は死んでしまうんだ。
となまえは思った。


少しすると、鬼灯さまは首から口を離した。
鬼灯さまの口元を見ると、少し赤い液っが垂れている。
それを片手で鬼灯さまは拭った。


「大丈夫ですか、なまえさん。」
「……大丈夫だと、思いますか……っ?」
「すみません。我慢できなかったもので。」


そう言うと、鬼灯さまは私を軽々と持ち上げ、ベットの上に丁寧に寝かせてくれた。
鬼灯さまの口元に目をやると、吸血鬼のようにとがっている歯があった。


「鬼灯さま……その歯は……?」
「この間買い物をしていたらおもしろいものを見つけまして。」


そう言うと、鬼灯さまは懐から小さな瓶を取り出した。
ラベルには日本語ではない何かが書かれていた。


「これを飲むと、吸血鬼になれるそうなんです。」


飲んでみたら、血が飲みたくなってきてしまって……と話を進める鬼灯さま。
私はまだ少し混乱していた。
頭の中がグチャグチャだ。


「え、と……その効果はいつ切れるんですか?」
「早くても1週間です。」
「1週間……。」
「その間、なまえさんの血を吸わせていただきます。」
「……………え?」


そう言って、私は口を塞がれた。



2012.04.14




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