気が付けば


家に帰ったあと、優里は夕飯の準備にかかった。
俺はすることがないから、ソファーに座りボーッとしていた。

優里の方をみてみると、機嫌良さそうに料理している。
そんな姿をみて少し胸が高鳴った。
……ような気がした。

(?なんや…この気持ち…。)

何故こんな気持ちになるのか。
誰かにききたかった。

そんなことを考えていると、優里と目が合ってしまった。
そしてまた胸が熱くなる。

俺はおかしくなってしまったのだろうか。
出会ったばかりのアイツに、こんな気持ち…。


「…わからへん……。」
「何が分からないんですか?」


優里は夕飯が出来上がったみたいで、両手にハンバーグを持っていた。
美味しそうな匂いに少しビックリした。


「…お前、料理できるやな。」
「当たり前じゃないですか。できなかったら死んでますよ。」


そう言って笑う優里。
今度はその笑顔に、胸が熱くなった。
自分でも鼓動が早くなるのがわかった。


「あぁ…そーゆうことか。」


気が付けば

(君が好きになっていたんだ)


2012.02.15
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