0708 1150
ドドーンとさほど遠くはない場所で爆音が響き土煙が上がっている。
それを小耳に挟みつつ、高鳴る胸を止める事ができない。
久しぶりの実戦。久しぶりの己が個性の発動。
普段使い道があまりない個性が唯一活躍するのが、ヴィランとの交戦。
だというのに。
「相澤くーん?ちょっと、イレイザー・ヘッドさーん」
「なんだ、今忙しいんだが」
「なんで私、簀巻きにされてんの?」
そう、いま私は仲間であるはずのイレイザー・ヘッドの捕縛用武器によって電線に吊り下げられている。
なんで!?どうして!!?
せっかく、せっかくの…!!
「私のキスライフがー…っっ!!!」
(相手にキスをする事で操ることの出来る『個性』を持ったキス魔おネェ系主人公と、それが気に入らない相澤さん)