おかいもの


「にんじんでしょ!ピーマンでしょ!」

こどもみたいだ、とはしゃぐ背中を見て笑った。
なまえはメモに書いてある食材をぽんぽんカートへ入れていく。
もう冷蔵庫の中の食材が尽きて、スーパーへ買いにいった。
ここの商品は本当に食べられるものなのか、
オレにも検討はついていなかったがなまえの
嬉しそうな姿を見ていたら、どうにかなるだろうと思った。

彼女がレジに行っている間にオレはスーパーを離れた。





「シュート…!どこー…?」

10分もしないうちになまえの声が聞こえた。
オレは戻って重そうに袋を抱える腕から
買い物袋を奪った。

「悪かったな、持たせて。」

「大丈夫!どっか行ってたの…?」

「ああ…、ここは本当に色々あるんだな。」

「まあね!テレビで何度も見たショッピングモールだからね!」

「なるほど…だから中の店も色々知っていたのか。」

「うん!ずーっと来たかったから、
お店のこととか色々想像してたんだよ〜」

お気に入りのお店はpromised land.
オレは確かめるように聞いた。
袋を取り出して、渡した。

「えっ。何?これ…」

「開けてみてくれ。」

「…わ!」

「……気に入ったら、いいんだが」

彼女の誕生石がついたネックレス。
まさかその場で買えるとは思わなかったが
行きに通りがかった時に彼女が好きな店を見て
ぴったりだと思っていた。

「嬉しい!気に入ったらどころじゃないよ!
すっごく嬉しい…!これ、もらっていいの…?」

「じゃあ、返してもらおうか?」

「…やだっ!」

そんなに喜んでもらえるとは思わなくて、
オレはネックレスをつけてみたなまえに見とれていた。

「どう?良い感じ?」

「ああ…すごく、よく似合ってる。」

「シュート…!」

「えっ、…なまえ…!」

誰も見てはいないとはいえ、抱きつかれるとは思わなかった。
恥ずかしさでいっぱいになったが、
ありがとう、と呟く彼女の声で頭はいっぱいになった。
そうやってありがとうと呟く度に、
オレこそ、ありがとうという気持ちでいっぱいになるんだ。


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