滑稽な平行世界論理

滑稽な対人論-13-


まえもくじつづき




体中を獣が咬み散らかしていく。
ぼくの肉はうまいか?


ときおり獣の動きが止まる。
やっぱり肉、まずいのか?


ゆっくりうでをのばして、硬い髪の毛ごと抱きしめてやる。
ぼくはあんたが「  」だ。
だから、こんな体の処女で良ければ喜んでくれてやる。


トラウマなんて吹っ飛ばして、いいお嫁さんもらえよな。


「リオウ」


獣らしからぬ声だ。
なんだ、無理矢理突っ込んだら萎えたのか?
こっちは熱いんだか痛いんだか、中のでかいの出したいのに出せないとか、妙な感覚と戦ってるんだ、お前もがんばれよ。


「リオウ」


うっすらと目を開けたら心配そうな目があったから笑って言ってやる。


「情けない声だすなよな」


そのあと両手で顔を挟んで口を吸ってやって、意識が途切れた。


体と体でぶつかってわかり合え、とかいう言葉はあるけれど、どうもこの状況には当てはまりそうにない。
愛はないけど、たぶんきっと慈悲はある……行為。





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テーマ「人外ファンタジー」
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