理想
「太宰くんが怒ってる姿って、あんまり想像出来ないです」
「そりゃあ、相手の事を深く知らねぇからだな。
俺くらいになると、嫌でも想像出来ちまうってモンだ。
…まぁ、彼奴の考えてる事なんざ一生かかっても分からねぇだろうけどよ」
「そうなんですか。
じゃあ、私が中也さんの怒ってる姿を想像出来るのは、中也さんの事を深く知っているからでしょうか?」
「そうかも知れねぇし、違うかもしれねぇ。
俺はそう気が長ぇ方じゃ無いからな、お前にそう言う姿を見せた事があった可能性も、捨てきれない」
「太宰さんの事は私が無知だったって決め付けるのに、中也さんの事は曖昧なままにしてしまうんですか?」
「…あー、痛いトコ突いてくんなぁ。
ぶっちゃけた話、後者の曖昧な方が本心なんだよな。
前者の決め付けは、お前が太宰の事深く知ってねぇ方が良いな、って言う俺なりの理想。」
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詩人である中也さんも、大好きです。
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