共食い





「古橋って、魚食べるの?」


「いきなりどうしたんだ。」


私の質問には答えず、寧ろ疑問符を浮かべ始める古橋。
私は古橋の目を覗き込んで、答える。


「だって古橋の目、死んだ魚みたいだって言われてたじゃん、眼鏡の人に。
だから、共食いになっちゃわないかな、って」


「何だ、そんな事か。」


そんな事じゃないよ。
意外と深く考えてたんだから。

そう思って古橋を見たら、彼奴の綺麗な黒髪が風でふわりと揺れていた。
そんな髪を押さえ付けながら、古橋は話し出す。


「お前は、俺の目が嫌いか?」


何を言い出すかと思えば。


「そんな訳ないよ」


「なら、何の問題もない。」


……なんだそれ。




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結局最後まで質問の答えを言ってくれない古橋くん。


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