どっち?
私にわざとジョーカーを引かせたり、自分で敢えてジョーカーを選んでみたり。
彼とのカードゲームは、全く読めない。
まるで、彼の掌で踊らされているみたい。
それでも私が踊っている掌は彼の物だから、あんまり嫌じゃないんだ。
「翔一には、全部分かってるの?」
「さぁ、どっちやと思う?」
へらりと笑って差し出されたのは、二枚の裏返されたカード。
私は右を選択する。
「残念やなぁ」
ひらりと落ちて来たのは、数字の書かれたカード。
私が引いたのはジョーカーらしい。
「まだ終わってないよ。」
二枚のカードをシャッフルしつつ、このゲームの勝者を私は知っていた。
きっと其れも全て、彼のシナリオ通りで有るのだろうと、想像すれば身震いした。
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心理戦って苦手です。
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