貴方に立ち往生。
『一緒に心中しよう』
此れが、初めて男の人に口説かれた時の台詞。
今でも鮮明に覚えてる、彼の揺れた瞳も、真っ直ぐな声も、風に揺られた彼の香りも。
全てが私にとって初めてで、全てに魅了された。
…まぁだからと言って共に心中した訳じゃない。
其の時彼に魅了されたからこそ、確りと断わった。
「ねぇ、一緒に心中しよう。」
今日も彼が此方へ顔を覗かせて、悪戯っぽく言う。
「しません」
そんな彼をちらりと見てから、私が答える。
毎度の事だが、其の度に魅了される。
彼の瞳も、声も、香りも、全て全て全て。
だからこそ、後何度聞けるだろうかと考える。
「私は何度でも言うよ。
…私と心中しよう、零時。」
きっと彼が死んで無くなる迄、私は彼に囚われ続けるのだろうと。
死んでも尚、彼の全てを欲しがるのだろうと。
気付いてしまっては、戻れずに立ち往生した。
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太宰は文ストを見た人が最初のほうに好きになる、ポケモンで言う最初の三体の一人だと自分は思います。
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