午後
「よしよし」
暖かな陽が射し込む昼下がり。
もふもふとしたアライグマを撫でながら(通常そんな経験をする事はそうそうないだろう)、私はのんびりとした午後の時間を過ごしていた。
アライグマの飼い主(?)であり私の恋人でもあるポォは、ただひたすらに読書をしていた。どうせまた推理小説だろう。
「かわいいなぁ、もふもふしてる」
わしゃわしゃとアライグマを撫でていると、アライグマはすりすりとこちらへ擦り寄って来る。どう足掻いても大抵の女子はこういう可愛らしいものが好きな傾向にある。やはり撫でられずにはいられずに、撫でくりまわす。
すると後ろからコツリコツリと靴音が聞こえた。この部屋にいるのは私と彼とアライグマだけだから、きっとこの音は彼、ポォだ。
「どうし、」
どうしたの、と振り向きざまに発した言葉は、ちゅ、なんていうリップ音と共に食べられてしまった。
呆然としていれば、
「我輩もいることを忘れるな」
なんて不貞腐れた声が降ってくる。
だって貴方が構ってくれなかったから、なんて言い訳はとっくにどこかへ行っていて、言葉では形容出来ないような暖かさが心の奥から湧き出てきた。そんなとある日の午後。
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単行本派なので私にとっては新キャラのこの方。かわいいです。
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