pale





「ん…」


「…む、まだ起きていたのか。」


「少しね、寝付きが悪くって」


「それならば、アロマキャンドルをつけてやろう。
丁度先日、仏蘭西から取り寄せたものがあったのだ」


「…うん、ありがと」


ベッド傍でゆらゆら揺れる、水彩みたいな淡い光が、こんなにも温かいものだとは思わなかった。
だってこの香りは、私好みに彼が特注してくれたものだと知っていたから。
分かりにくい彼の優しさが、こんなにも私を温かくしているのだと思うと、隣で眠るこの人を、抱き締めたくて敵わなくなる。


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同じベッドで眠る二人の話。

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