拍手のやつ。






「……うわっ、何だよそれ」


ザキこと山崎弘は、私の携帯画面を覗き込んで言った。
画面には、某携帯ゲーム会社の乙女ゲーが。

乙女ゲーとは、男の子と恋愛をする乙女専用ゲームのこと。
私は乙女ゲーがそこそこ好きな乙女なのである。

…だけどザキは頭が固いし、分かんないだろうなぁ。
このゲームの良さ。


「乙女ゲーのキャラだよ。
まぁ、ザキには一生関係ないだろうけどさ」


「……何だよ、その言い方。
別にいいだろ、興味を持つくらい」


「だってザキ、乙女ゲーとか言ったって分かんない系の人でしょ」


やれやれ、と言うように携帯を置く。
そして十分ほど、乙女ゲーについての説明をしてやった。


「……ふーん……。
お前は、そんなんが良いのか…?」


ほーら、やっぱり。
ザキは乙女ゲーの良さが分かんないんだ。
…ま、ザキだしな。
当然っちゃ当然か。


「おい、お前今すっげぇ失礼なこと考えたろ!?」


「そんなこたぁーございやせんよ」


「…………………。
……まぁ、いいや。
それよりお前は、現実の男に興味ねぇの?」


「ないね。」


「即答かよ!?」


ザキは呆れた顔をする。
呆れたいのはこっちだっつーの。
だーれが現実の男なんかに興味持つか。
現実にいい奴がいたら、乙女ゲーになんて逃げてないよ。
私の周りってイケメンはいるけど、性格悪い奴ばっかなんだもん。
(オタマロとか死んだ魚とか…)


「…例えば、悪童なんて言われる麿眉とか」


「断る。」


「鉄壁の前髪の持ち主とか」


「断る。」


「いつも寝てるスイッチとか」


「断る。」


「意外と爽やかボイスな死んだ魚とか」


「だぁが断る。」


「………フツメンだけど、誰よりもお前を好きな鳥頭とか」


「………………。」


……それって、もしかして────


「……なぁ。
お前はまだ、俺を見てくれない?
目の前の俺より、画面を見んの…?」


そんな風にしたら、勘違いしちゃうよ。
フラグ立った、って、喜んじゃう。


「………なぁ、こっち見て。」




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他サイトにあげたものを、此方にも。

ザキは黒バスでは数少ないフツメンだと思うのです、彼は可愛い。
是非皆様もザキを書いてあげて下さi((


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