ここ二週間全くと言っていいほどに、恋人であるスクアーロと連絡をとっていない。本部勤めの私とヴァリアーのスクアーロ。ただでさえなかなか会えないのに、連絡をとろうとしない自分がいる。スクアーロは元々自分から私に連絡をよこさないやつだ。最初はそれでもよかった。学生時代から好きだったスクアーロと付き合うことができたから。だけど、欲というものは次第にででくるもので、スクアーロからの連絡がほしくなってしまった。それで、ここ二週間スクアーロへ電話もメールもしていない。そのおかげで寂しさと不安に殺されそうになっている。
「はあ、」
仕事を終えてベッドにスーツのままダイブ。枕に押しつけた顔を半分あげて、携帯を開く。
メールも着信もない。それが無性に悲しくて、無意識にスクアーロに繋がる番号を開いていた。発信ボタンを押す寸前でピタッと親指が止まる。
「ここで電話したら負けな気がする、」
電話してスクアーロの声が聞きたい。だけど、スクアーロから連絡してくれるのを待ちたい。だけど、寂しくてそろそろ限界。だけど、だけど、
「スク、アーロ…」
視界が滲み出したとき、私の親指は発信ボタンを強く押した。呼び出し音が鳴るのを聞いて、また不安がよぎった。仕事中だったら?寝るところだったら?…誰か女の人と一緒だったら?
涙が出てきた、まずい、まずい、電話切ろう。ゴシゴシと袖で涙を拭った。
「おう、姫かぁ」
最悪。切ろうとした途端に電話からスクアーロの声。久しぶりに聞いた、大好きな声。なんかまた泣けてきた。
「スクアーロぉ…」
「泣いてんのかぁ!?」
「だって、スクアーロ、」
「あ゙?」
「好き…寂しかった、」
「…オレもだ」
スクアーロがそんなこと言うから、涙は止まりそうになかった。寂しかった反動がスクアーロへの愛しさをさらに倍増させてる感じ。ああ、本当にやばいよ涙。
泣き虫コール
(今度はオレからも連絡するからなぁ)
090520