みんなはもう帰ったり、部活いったりする放課後。私はツナの数学のお手伝い。幼なじみの特別サービスってやつよ。


「はい、ここ違う。やり直し」

「え、まじかよ!」

「まじまじ。てか、使う公式が違うし、最初の計算が間違えてる」

「うそ!」

「本当。いい、これはね…」


うんうん、と真剣に聞いてるから出来るだけ丁寧に解りやすく教えるけど、どれくらい理解してるんだか。


「あー!解った気がする!」

「じゃあ、やってみ」


ツナはまたせかせかとプリントと格闘しはじめた。 そういえば、ツナって身長伸びたな。山本たちと一緒にいるから気付かなかった。昔は私のほうがおっきかったのに。それに最近なんかたくましくなった気がする。


「姫?」

「え、何?」

「できたんだけど…」

「あ、ごめん」


ツナのプリントを見ると、今度はちゃんとできてた。


「ん、全部あってるよ」

「やったー!じゃあ、出してくるなっ!マジありがとう!」


ぱぁと明るい笑顔でツナは教室を出ていった。ツナが帰ってくるまで暇な時間を潰そうと、数学の教科書をパラパラとめくった。そしたら、意外にも勉強してる跡があって驚いた。


「姫、帰ろう」

「あ、うん」


いつの間にか帰ってきていたツナにもびっくりした。気配なかった。帰り道は夕焼けに染まってた。隣を歩くツナはいつもと変わらないはずなのに違う人に見える。


「最近さ、全然ダメツナじゃなくなったね」

「え?そうかなぁ…」

「うん。だって、昔に比べたら頼もしくなった気がする」

「そんなことないよ。俺なんてまだまだだし。山本とか獄寺くんのほうが断然頼りになるよ」

「あれはあれ」


ずっと一緒にいすぎて気付かなかった。ツナは男らしくなってる。どっか、寂しい。


「ツーくん」

「うわっ、なんだよ!いきなり…」

「いいじゃん!たまにはさ」

「いや、今さらツーくんはちょっと…」

「あーあ!ダメツナが男らしくなっちゃって寂しいなー」

「はぁ?意味わかんないよ」


冗談っぽく言ってみたらツナはいつもみたいに理解できないって顔してた。


「寂しいもなにも、俺は俺じゃん。それに、姫に負けないために頑張ってるんだから、男らしくなるのは当たり前だろ」

「ぅえ?そーだったの?」

「そーだったの。姫を守れるくらい強くなるんだからな、俺は」


あ、今すごく顔赤いかも。でも、すごく嬉しいって素直に思った。ツナはこんなに成長してたんだね。また、知らなかったツナを発見しました。









茜色の帰り道
(お前かっこつける暇あんなら勉強しろ)
(うわっ!リボーン!)
(ちゃおっす)
(こんにちわ、リボーンくん)
(姫、俺の愛人にならねぇか?)
(ちょ、リボーンっ!!!!!)




090127

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